本日、仕事から帰ってきた姉の手には、大好きなケーキ屋さんの箱があった。
箱を開けると4種類のケーキが。
迷う。
迷うのだ・・・。
ケーキといえばイチゴでしょう!と強固に主張するおいらとしては、甘夏タルトに乗っているイチゴが捨てがたい。
しかしザッハトルテの光り輝くチョコレートにも惹かれるものがある。
そしてオレンジ色も濃く燦然と輝いているメロンケーキにもそそられる。
とはいえ、おいらに向かってデリシャスビームを乱射してきているイチジクケーキのなんと魅惑的なことか!!

ちなみにおいらの家ではドラフト制が導入されている。自分の気に入ったケーキを指差して、指名が重ならなかったら第1希望をゲットできるのである。

(ピンポンピンポ〜ン・・・それでは第1指名ケーキをご指定ください)

バッ!!!!

その時3人揃って指名したのは、ヴィジュアルクィーン・イチジクケーキちゃんであった。
「え?皆これなん?」
姉が待ったをかけた。
本来ここではじゃんけんが始まり、勝った者が第1希望ケーキをゲットできるのだが、そこに待ったがかかったのだ。
「ちょっと待ってよ、ほしたらメロンケーキもいいよなぁ。」
母親が逃げ道を探し出した。
「うきゅ〜、甘夏タルトのイチゴがぁ!」
おいらの葛藤もちょいと打算的になってきた。
「ここのザッハトルテっておいしいねんな〜」
姉もなんとな〜く目が泳ぎ始めている・・・。
これは・・・
これはもしかすると・・・

(ぴんぽんぴんぽ〜ん、再度第1指名ケーキをご指定くださ〜い)

ばばば〜ん!!!

イチジクケーキ。
3人揃って。
あのインターバルはなんだったのか。
相手を撹乱させる、単なる作戦タイムだったのか!
肉親を陥れてでも、そんなに食べたいのか!イチジクケーキが!!
ちゅーか、引け!
なんで誰一人として引かんねん!おいらたち!!
ええい!いやしんぼどもめ!!

そうしておいらはケーキを買ってきた姉を差し置き、実の母親を尻目にジャンケンに勝って、見事第1指名をゲットした!

多分3人の中で、一番最初に引くべきなのはおいらだったのだろう・・・。
しかしケーキ争奪ドラフト会議(会議?)で引くことなどできようか?いいや、できまい!
引けぬ!引けぬのだ!!たとえ相手が肉親であろうと!おいらに後退はないのである!!!

たかがケーキ。
されどケーキ。
譲れん時もあるのよ、たまに。

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