無意識の意識

月曜日、昼休みから戻ってくると机の上に黄色のスイートピーが1本置かれていた。可憐な花だ。
が、先週末風邪をうつされ早退したおいらは、そっと心の中で『・・・まだ死んでない』とつぶやいてしまった。
そして、水曜日（おいらは2つの職場に1日ごとに通っている）出社すると、またおいらの机の上に、今度は蘭が1本置かれていた。綺麗な花だ。
まだ、病みあがっていないおいらは、そっと心の中で『・・・お見舞い？？』と小首を傾げてみた。
一体誰が置いていったのやらと、思案に暮れていると、目撃者からのタレコミが！
別の課の人が、いつもお世話になっているからと、会社の近所にオープンした花屋が配っている花をもらっては、私の机に置いていたそうだ。
ありがたい話である。
おいらはそそくさと蘭を飾るべく花瓶を探したが、そんな物殺風景な職場にあるはずもなく、仕方なく、空き瓶置き場にあった焼酎の（飲み会だけは景気良く開いているのである。いい気なものだ）空き瓶を綺麗に洗って花瓶代わりにした。
だが、さすがに焼酎のラベルが貼ったままのビンを机に置くのは忍びない。おいらは、机の中に入れっぱなしにしていた某有名紅茶メーカーの包装紙で、ビンをぐるりと巻いてみた。
・・・変だ。
でも、まぁ、焼酎のラベルむき出しよりはマシだろうと、妥協して、そのまま一輪挿しとして机に置いておいた。

昼休みが過ぎた頃、火曜日におやつとして配られていた柿がおいらの分もあるという事で、親切な派遣さんが持ってきてくれた。実に立派な柿であった。2つもいただいていいのかしら？と思いつつ、嬉しかったので机の上に置いておいた。

その後、まだ病みあがっていない体に暖房のきつい職場は辛く、水分補給のために室温に戻したペットボトルのお茶をガンガン飲むおいら。空いたペットボトルは、またコンピュータ脇の机の上に置いていく・・・。

そしてふと気がついた。
気がついてしまった。
おいらの机の上のコンピュータ脇の状況に。

空き瓶を利用した一輪挿しに、花がひっそりと生けられている。
その手前には柿が2つ。
さらにお茶のペットボトルが2つ・・・。

これってまるでお供えじゃないか！！
特に道路脇でよく見る光景じゃないか！！
そう！
これは！
これこそは！！
交通事故現場のお供え！！
ががががが〜〜〜〜〜〜〜〜ん！！！！


・・・まだ死んでない。
自らの行動に、そっと心の中で突っ込むおいらであった・・・。